なんで突然動き出したの? 全然準備できてないんだけど

学園 20K Active
著者: 左衛門
時間: 9 月 前
まとめ:

俺の名前は【大内田誠】。休み時間に文庫本を読むことと、黒板消しを極限まで綺麗にすることに青春を捧げる16歳だ。最後に普通の女子と喋った言葉。はっきり覚えている。あれは二年になったクラス替えの時だ。隣の席になった女子との儚くも甘い記憶。「キミなんて名前?」「お、大内田誠……」「大内田? 大いらないくない? 内田でよくない?」これだ。先祖代々受け継いできた由緒正しき苗字に、不遜にもケチをつけてきた。大胆な女子である。ヒエラルキーは最下層。このヒエラルキーは一度下層に位置づけされてしまうと、よほどのことがなければ覆すことはできない。例えば、テレビに出るとか。例えば、ツイッターで話題になるとか。目立たないからこそ最下層に位置づけされているのに、なんという皮肉。神のいたずら。よろしい、ならば戦争だ。クリークだ。……なんて度胸はない。あったらとっくに何かで目立って、ヒエラルキーの上層とはいかなくとも、最下層にはいないはずだ。俺はもう戦うことを諦めた。いいだろう。最下層でいい。だが、しかし。このまま『文庫本』と『黒板消し』に捧げる青春。これだけはいかんともしがたい。なんとかしなければ。そんな時、幼馴染みである【時任かなで】になんやかんやで巻き込まれ、そこになぜか三年生で生徒会長の【綾小路薫】まで入ってきて。止まっていた。もう動くことはないと諦めていた俺の青春が、動き出した。…続きを読む

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