早春。霞がかった日差しのなかで、藍色の衣装を着た男の立ち姿は光彩を放っていた。その美しさは、さながら名工の手掛けた精緻な人形のように見えていた。── 櫻承と諭利の、出会いのお話です。※ 「諭利・帰郷」以降の、この物語(櫻の国)には【BL】【GL】【残酷描写】等の表現があります。このお話に関しては、気になるものではないと私は判断し、表示はしておりませんが、生理的に受け付けないという方は、閲覧をご遠慮ください。