魂の宿った武具を具現化するスキル! 武器っ娘達が今ここに集結する!
駆け出し冒険者のアクト。初めてのダンジョンで武器を失い途方に暮れてしまう。なけなしのお金を手に握り、ギルドから紹介された武器屋に足を運んでみる。そこにはナイフやショートソード、盾に鎧。そしてケースに入った魔剣が陳列されている。手元のお金は少ない。しかし、武器は必要。自分に何か買える武器はないか、店の隅から隅まで探し、片隅にあった小箱へ目が行く。「そこはガラクタだぞ?」なんとなく呼ばれている気がして箱を開けてみる。『私を、外に……。お願い……』ふと、誰もいないのに女の子の声がした。気のせいか?箱の中を探してみると、さびたナイフが一本。なんとなく、手に持つと思ったよりもしっくり来た。「おじさん、これは?」「あぁ、昔からずっとあるナイフだな。錆びてて使えんだろ? 安くするが、どうだい?」 ボロボロの鞘に錆びた刀身。よく見ると、刀身の根元に何か文字が打ってある。――リリア=ヴェトン なけなしのお金でナイフを一本購入。宿に戻った俺は、部屋でナイフをまじまじと見るめる。さっきの声は何だったのだろうか……。『名前を……。私の、名前を、呼んで……。私の、名前は――』 声が聞こえた。名前を、呼んでほしい?手に握った一本のナイフ。ナイフ一本の武器から始まる少年の物語。手にした武器の声を聞き、名を知り、共に成長していく。紅のショートソード アーデル疾風のスピア ステア紫炎のツインソード ソニアとルニア聖光のリング エレインそして、その先には……。――「アクト様! 後ろからもモンスターが!」「わかった! こっちは俺が! 後ろは任せるぞ!」「はいっ! 任せてください!」一人の少年がダンジョンに挑む。一人ではない、誰かを守る戦い。強く、――を守れるくらいに俺は強くなりたい!――「あーら、あんたはナイフだからちっこいのよ。私みたいにもっと大きくならないとアクト様は振り向いてくれないわよ?」「一か所だけ育っているあなたには言われたくないです。私はずっとアクト様と一緒にいたんですよ!」 二人の争いが始まる。アクトは一体この後どうなってしまうのか……。「おーい、そろそろダンジョンに行くぞー!」「「はーい! 今行きまーす」」 いま、アクトの冒険が始まろうとしている……。…続きを読む