私は父と登山をしながらしょうもないことを思い出していた。そしていつも一番最後に思いつく言葉は誰か助けての一言に尽きた。 私は懇意にしていた。亜子さんにいつも「どうして?」と不思議そうに自分自身のこととなりを尋ねられる。話してはいけない――。そう思いながらもだんだん息もしずらくなって、ついに本当のことを話してしまった。 大学で奇妙な人たちにばかり巻き込まれる私は参っていた。そして暗い影が彼の周りにいつもまとわりついている――。