日常とはある日突然崩れる。web小説を読むことが趣味の少年は、いつもと変わらず、下校中のバスの中で更新分の最新話を読んでいた。その時、突然スマホの画面にポップアップが浮かぶ。そこにはこう書かれていた。【只今を持ちまして第一フェイズが終了しました。間もなく、惑星地球は第二フェイズへと移行します】見慣れない広告だなとそのポップアップを閉じた瞬間、轟音と共に日常は終わりを告げた。急停車するバス、静まり返る車内、突然電源が切れたように動かなくなるスマートフォン――「――窓の外には異形の化物が街を跋扈していた……」脳裏に過ったのはとある小説の一節。少年はそれを無意識の内に口に出し、額に冷や汗を浮かべながらもその口もとには笑みを浮かべていた。これは物語の【モブ】だった僕が、物語の【主人公】になる物語。