受け入れられない感性を持つ、僅かな仲間達へ

第30回電撃小説大賞 10K Active
著者: 遠江 葉織
最新: 7章
時間: 9 月 前
まとめ:

一人暮らしを始めたばかりの青年、新里一樹(あらざと いつき)は、いつまで続けて行けるかわからない、ぎりぎりで宙ぶらりんな生活を謳歌していた。 志望校の美大に落ち、その反動で実家を飛び出したはいいものの、結局、絵なんか描かず、財布と格闘する日々-。     そんな、どこか張りのない生活で満足していた一樹のところに、ある日、不思議な少女、あいなが転がり込んでくる。 なんと、出会った瞬間に、共同生活を催促されてしまったのだ。 あいなに半ば脅されるような形で共同生活を許可してしまった一樹。質問にも真面目に答えず、このあいなという少女が何者なのかは掴めずじまい。けれど、あいなといると、何故か全ての物事がどうでもよくなってしまい、お互いの認識があやふやなまま長い時間をともに過ごすことになる。 そんな中、一樹はあいなと自分のために、新しいバイトを探す。 結果決まったのは、閉店時間が早いファミリーレストランのバイトだった。雰囲気もいいところで安心していた一樹だった。 しかし、やけに自分に絡んでくる同僚の大柳に、絵の事をきかれ、思わずどきっとする-。 実は、一樹が好んで描く絵は、一般社会には、到底受け入れられないものだったのだ。なんとか焦りを隠して誤魔化し通したものの、なんとなくすっきりしないままになってしまった。 しかも次の日、測ったようなタイミングで、あいなにアトリエを見せてくれと言われる。だか、なんとか、本当に描きたくて描いた絵は、あいなに見られずにすんだ。 しかし、その日から、あいなの様子が変わってしまった。さらには、ロープが放り出され、包丁が洗った直後のように水で湿っており、鉛筆立てのいちが動いている。 そんなとき、バイト先で店長にこの事を相談したら、ある噂を教えられ-。…続きを読む

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