姫の夢と皇子の告白が、世界を変える第一歩に!

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著者: コラム
最新: #26
時間: 9 月 前
まとめ:

数百年争乱が続く広大な島――アポストル大陸。その大陸には九つの国があり、現在もなお各国が覇を競い合っている。そんな大陸で、王と王妃である両親を亡くしたルモア·エートスタイラーは、二人に代わって二十二歳という若さで故郷のシェールス国を継いだ。シェールス国はアポストル大陸ではあり得ない軍を持たぬ国で、国の安全は山や森、湖などに住む幻獣たちによって守られていた。さらにルモアの血統――エートスタイラー王家には特別な力があった。それは、幻獣と心を通わせることができるというもので、努力ではけして手に入れることのできない力である。そのシェールス国の特異性や、エートスタイラー王家の血筋ということから、ルモアは“幻獣姫”という呼ばれ方で世界に覚えられていた。幻獣姫には、幼い頃から夢があった。代々平和主義だった両親でも考えなかった彼女の願い――。それはこのアポストル大陸で数百年続く戦争を終わらせ、世界を平和にすることだった。ルモアはそのためにすべきこと――この大陸の統一を考えていた。すべての国を平定し、争いのない誰も傷つかない世界にしたいというのが、彼女の願いだった。だが、ルモアの力は強くはない。幻獣を使役できた父王とは違って、彼女は意思を疎通することしかできない。そんな自分に大陸統一などできるのだろうか……。ルモアは成長するにつれて現実を知り、できるはずもないことを願っていたと思っていた。自国の未来、これからのアポストル大陸のことで頭を悩ましていた彼女が、いつものように夜の湖へ出かけたとき――。そこに隣国の皇子――シファール·エンデーモが立っていたことで、ルモアの夢が再び動き出す。…続きを読む

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