尻商人の男と記憶のない猫。雨夜の語らいと荒野の旅路。

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著者: @tasuku-4
時間: 9 月 前
まとめ:

その男、尻商人だった。 尻、といっても本当に人や動物の尻を売り買いするのではない。野獣や物の怪が巣食い、庶民が立ち入れないような野山深くで種々なる山の幸を採り集め、方々の町や村で露店売りする商のことをこの地方では尻と呼び、それを生業とする者を尻商人と呼んだ。 秋の深まるある夜、尻商人の男はたまたま訪れた村の飯屋の若い女料理人の誘いを受け、夜通し奇天烈な語らいに興じることになる。 一方、人語を解する猫がいた。 猫には実親の記憶がなかった。最も古い記憶は、半死半生でとある町にたどり着き、鍛冶職人の翁に拾われたときのものだ。以来、猫は老翁の家にもう長いこと居候をしていたが、この日、とうとう出立の心を決めた。目指すはかの悪名高い霊山、般妖が嶽(はんようがたけ)の頂だった。  尻商人の男と記憶のない猫。雨夜の語らいと荒野の旅路。江戸時代初期の村里を舞台に、二人の主人公と、個性あふれる登場人物たちが織りなす色彩豊かな物語。時代小説がお好きな読者ならば、大人から子供までどなたにでも楽しんで頂ける作品だと思います。 孤立、疎外、隔壁にさらされた現代、この本を通して、人らしい情や思いやりの心に触れ、少しでも温かい気持ちになってくれれば嬉しく思います。…続きを読む

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