僕の死に泣き喚く少女を、僕は隣で見守った
著者: 孔明ノワナ
最新: 最終話 エピローグ
時間: 9 月 前
まとめ:
勇者として頑張る、ユリムという名の少年がいた。彼は必死に己を鍛え魔王に挑むも、結局負けて殺される。努力が無駄になったと、悔しがりながら死んでしまったユリムだが、しかし次に目を覚ましたとき、彼は魔王の部下である四天王として転生していた。勇者としての記憶をもったまま魔族の身体を得たユリムは、それはもうめちゃくちゃ強くなる。それでも魔王には遠く及ばないが、人間としての限界は大きく超えていた。そんなある日、魔王城に人間の姫が捕まってくる。ルネスという名前の女の子だ。元勇者であるユリムは当然、姫のルネスとは顔見知りであった。話を聞くと、彼女は「勇者のことが好きで好きで仕方なく、必死に勇者を探していたら、魔王軍に捕まってしまった」のだとか。初耳すぎるルネスの好意に、ユリムは驚きを隠せない。もっと早く教えてくれれば付き合ってたのに、と悔しがる。しかし今のユリムは四天王であり、そして元勇者だと明かすこと不可能。とはいえルネスを見殺しにするのは心苦しい、と考えたユリムは、どうにかルネスを逃がそうと決める。このまま魔王城に捕まったままでは、ルネスは拷問に掛けられ殺されてしまうだろう。――これは四天王である少年が、己よりも遥かに強い魔王や四天王の目を誤魔化しながら、どうにか姫を魔王城から助け出そうと頑張る話。…続きを読む