心、記憶、嘘、未来――――数多を見通す開眼少女はその瞳に何を映す?
著者: 桜ノ宮天音
時間: 9 月 前
まとめ:
女子高生、高梨心美は学校終わりに買い物をし、帰宅の途中で不幸な事故に遭い、意識を失った。目を覚まして右を向くと緑。左を向いても緑。そこは大自然あふれる森の中。事故で致命傷を負った身体も綺麗に治っており、幽霊になったという訳ではない。うっすらとよぎり始めた嫌な予感も、偶然見つけた川に映る己の姿を見て確信に変わる。コスプレを彷彿とさせる銀髪、左右で異なる色のオッドアイ。そして何より……額に開眼した三つ目の瞳。「どうやら私は転生してしまったようですね」転生を悟った心美は、両手のも瞳があることに気付く。額の瞳は開くが何も起こらない。左手の瞳はそもそも開かない。しかし、右手の瞳は鳥が飛ぶように視界を動かし、遠くを見通すことのできる眼だった。その瞳の力を利用して食料を探し、森の出口へと向かおうとする心美だったが、一匹の白い狐に出会う。人と動物。当然言語の壁があり、意思疎通は叶わない。だがここで、額に開眼した瞳の真の力が発揮される。(私の言いたいことが分かるの?)「ええ、はっきりと聞こえているわ」心を読む。それが額に開眼した瞳の力。こうして転生して様々なものが見えるようになった開眼少女の異世界生活は、突如幕を開けるのだった。…続きを読む