【将真の物語。その序章、ついに完結。】───己と向き合う、少年が覚悟を決めた時、夢と現実は交錯する───2010年12月。中学二年生の菅生将真は、所属しているソフトテニス部で最も信頼していた仲間に裏切られ、居場所を無くしてしまう。幼馴染、恋人、友人…そしてほとんど関わりの無い者達にさえ尽く攻撃された彼は誰を信用していいのか全く分からなくなった。疑心暗鬼に陥っていき…大好きだった部活にさえも、行けそうになくなった。受け入れられない現実から逃げるようにして、彼は自室の布団に顔を埋め、恐怖に怯え、悪意に怒りを覚え、奪われた事に涙した。そうやってひたすら泣き続けた彼の体力はやがて限界を迎え、徐々に眠りの世界に迷い込んで行く。そして、目を覚ましたときに眼前に広がっていた世界は、訪れたことのない、見覚えのある景色だった。現世とは思えない神秘的な世界で彼を待っていたのは、広大な草原、木々と岩壁に囲まれた起伏のある森をはじめとした幻想的な世界。そんな世界に住む人々との暖かな交流を経て、彼の心は少しずつ変化を見せていく。───そして、その世界を共に旅するのは、夢中になって遊んだあのゲームの登場人物達───この世界に迷い込むきっかけとなった、仲間達の裏切りの真相とは、この世界に導かれた理由とは…その全ては、きっとこの世界の中にある。夢の世界を舞台に、将真がどん底から這い上がるための再生の物語が幕を開ける。この物語はフィクションです。登場する人物・団体・名称等は架空であり、実在のものとは関係ありません。…続きを読む