ちょっとだけ他人と違っていた僕が「BOKU」として辿った道です。

第30回電撃小説大賞 70K Active
著者: 緋雪
最新: 終章 海月
時間: 9 月 前
まとめ:

ボク、ぼく、僕…いつの時代も僕は自分を「BOKU」というロボットのように感じていた。 幼い頃から、ちょっとみんなと違っていて、他の子が当たり前にわかることが、よくわからない「ボク」。心配して母親は様々なお稽古ごとをやらせる。 やがて小学校高学年になり、「いじめ」られるようになった「ぼく」。周りの奴らに負けまいと、一生懸命勉強した。父親は、成績のことばかりを言うようになった。一方で初恋は他人の誤解で酷い言葉を浴びせられ終わる。とにかく勉強に没頭した。が、やっぱり、皆と違うことがある気がしている。とにかく記憶するのが苦手だ。殆ど「できない」に近かった。高校受験ではそれでも困らなかったが、大学受験の時には、記憶力がないことで本当に苦労を強いられる。 勉強ばかりの中学、高校時代を経て「僕」は大学生になる。記憶力がない僕にとって、英語で書かれた専門分野の資料を読んだりレポートを書いたりすることは苦痛でしかなかった。諦めていた「恋」の始まり、だったが、勉強とバイトと就職活動、卒論…忙しくなるばかりの生活の中で、また諦めざるを得なくなる。 親が決めた不本意な就職。相手や周りに一方的に決められてしまった結婚。しかし、どんな環境下でも、僕は一生懸命だったのだ。 上司の命令でやった仕事のミスが数年後に発覚。辞職。離婚。それを機に、どんどん僕は堕ちていく。気がつけば重症の鬱病になっていた。 僕は、ただ生きているだけの人になる。もう自分には何も残っていないと思っていた。 ある日、見た風景に衝撃を受け、自分のやりたかったことをやるようになる。 そう、僕は、ここへ来てやっと、自分が本当にやりたかったことを思い出したのだ。僕が「僕」であることに、僕の人生は僕のものであることに気付いたのだった そんな時に出逢った運命の女性。僕は彼女と第二の人生を生きると決めた。例えそれが遅すぎた決断であったとしても、僕は何の後悔もしないだろう。…続きを読む

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