――何か大切な事を忘れている気がする。この記憶の断片は幻なのか現実なのか。再生能力を持つ人種・玉人（ぎょくじん）であるハイリはある日、自分の記憶に違和感を持つ。だが日々の任務に忙殺され、その違和感のことすら忘れていた。T都市襲撃事件から約百年経った今、反政府組織パレルソンの動きは沈静化し、旧人保護以外の仕事はほほとんど無くなっていた。T都市の外地に遠征しては、再生能力を持たない旧人（きゅうじん）を保護するだけの日々。そんなある日、ハイリは遠征した先で反政府組織パレルソンの兵士に出くわすことになる。旧人の権威を取り戻そうとするパレルソン。旧人を保護し、パレルソンを抑圧しようとするアグノイア軍。その衝突に巻き込まれていくハイリ。彼の欠落していた記憶が呼び覚まされると、玉人と旧人の新たな姿が見えてくるが……。※この作品は小説家になろうでも連載しています…続きを読む