「僕って宇宙人だったの?」

第30回電撃小説大賞 100K Active
著者: 雪村 緑
時間: 9 月 前
まとめ:

※電撃大賞応募作につきオチまで書かれています。ご注意ください。『はじまりの村』の少年――プラム・ブルーは、加護の光を宿さない無能の者である。 生活に様々な困難を抱える彼はしかし、毎日を懸命に生きている。 プラムは、自分の正体を知らない。自分に課された使命を知らない。自分の中に眠る大いなる力を知らない。 しかし彼は知っている。魔物の脅威がすぐそこまで迫っていることを。 漠然とした衝動を抱えていたプラムに、力を求めてやって来た王女は言った。「迎えに来た」と。 義姉のためにも村に残る意思を示すプラム。しかし王女は村に言う。「よこせ」と。 少年の心は、家族と衝動の間で揺れ動く。※ここからネタバレ。 かつて、二千年にわたり魔物と戦い続けた、勇者の一族がいた。 プラム・ブルーは、蘇った魔物の脅威に対抗するべく作られた、初代勇者のクローン人間である。 偽物の人類である彼は神に愛されず、加護を持たない。代償に、宇宙人の血を受け継ぐ肉体には、超能力が宿った。 プラムはそうした事情を、何一つとして知らない。 地球全土で暴れ回る魔物たち。その脅威はついに、『はじまりの村』にも降りかかる。 王女に誘われ、プラムは無能の身ながら戦場に赴いていく。 魔物と戦い、相見える度に、身体の中に眠る超能力が目覚め始め、同時に彼は、使命と欲望を思い出す。 欲を自覚したプラムは、自らを育ててくれた義姉を想い、ますます葛藤し、苦悩する。 その末に彼は、義姉のいる世界を守るためにも、戦うことを決意する。 清い心根に胸打たれた神様は光を与え、クローン人間に加護が宿る。 超能力と加護。二つの力を持つ歴代最強の勇者が、現代に蘇る。 魔物を討ち滅ぼす大いなる力となって、顕現する。…続きを読む

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