女王の日に、学生小説家・ルイスは仲間と結託し、同級生の女子に付き纏われている友人が恋人と心置きなく祭を楽しめるよう、入れ替わり作戦を決行する。　途中で服を取り換え、友人のふりをして過ごしていたルイスは、リーゼという娘と出会う。実はリーゼはこの国の王女で、公務を無断で抜け出してきていた。そうとは知らず、授賞式までには家へ帰るという約束の元、ルイスはリーゼと行動を共にする。　同級生や破落戸に追い掛けられながら、リーゼの境遇やルイスの著書などの話をして仲を深めていく二人。その中でルイスは、先日嫁ぎ先が決まった義姉に対する恋心と苦しみを告白する。リーゼはルイスを否定せず、心に寄り添った。恋ではないけれどあなたが好き、と笑い合い、真の友情という花言葉を持つ赤いゼラニウムが彫られた揃いの指輪を買って、祭を楽しんだ。　そんな二人を、殺人ゲームに参加している暗殺者達が付け狙う。彼らは、本来のターゲットだった少女とリーゼを、取り違えていたのだ。　リーゼは、ニコという暗殺者からルイスを守る為、自分の本当の身分を明かす。ターゲットと王女が入れ替わっていると知ったゲーム主催者は、慌てて他の暗殺者達へ、王女をニコから保護するよう指示を出す。　王女の奪い合いが進む最中、リーゼはニコが足止めされている隙に、宮殿へと走る。しかし途中で転んでしまう。ニコの放ったナイフにリーゼは身を竦めるが、駆け付けたルイスが、我が身を盾にして守り切った。　怪我の治療を終え、病院のベッドで休むルイス。そこへ、ティアラを被ったリーゼが現れる。王女然とした姿に戸惑うも、ルイスはゼラニウムが彫られた指輪を掲げて、もう二度と会えなくとも友達だと宣言する。するとリーゼも指輪を取り出し、授賞式に呼ばれる位の大作家になって欲しいと言う。そこでの再会を約束し、二人は別れた。　その後ルイスは、見舞いにきた義姉の婚約を祝福し、自分の恋心へ区切りを付ける決心をした。…続きを読む