第46話 否定 (1/2)

「ふふっ……アナタ、自分が何をされたのかわかっているのぉ?」

「……ええ。仲間に回復してもらいました」

「違うわ! アナタはね、今蘇生させられたのよ! そのヒーラーは私がやったのと同じことをしたの! アナタはゾンビと一緒なのよ!」

ネクロマンサーはなぜか異常なハイテンションでそう言う。俺はただその言葉を黙って聞いていた。

「ねぇ、どんな気持ちかしらぁ? 勝手に仲間にゾンビにされちゃってぇ……どんな気持ちかしらぁ?」

「……アナタは、そう言われたんですか?」

俺がそう言うとネクロマンサーは急に真顔になって黙った。なるほど……なんとなくコイツから感じていたことは、間違っていなかったようである。

「……は? どういう意味?」

「人型のモンスターの多くは……元は人間、しかも冒険者だったことが多いと聞きます。アナタ……元はヒーラーだったんでしょう?」

俺がそう言うとネクロマンサーはしばらく黙っていたが、明らかに怒りをその表情に湛えて俺のことを見ている。

「……アナタに……何がわかるの……? 仲間を助けたのに……ゾンビにされたって言われた私の気持ちが……わかるっていうの!?」

「……いいえ、わかりませんね」

「そうでしょうね! だからその時決めたのよ……だったら、もう仲間なんていらない……私の思い通りになるゾンビだけでいいって……!」

すると、ネクロマンサーは短く呪文を唱える。それは紛れもなく「リヴァイブ」の呪文だった。