243.ブラボー、厨二病〜ミハイルside (1/2)

「祓いたまえ!」「くっ……祓いたまえ!」

レジルスに続いて羽根だけの札をシエナも含めて魔法呪に全て貼りつける。

後はこのキラキラ札を……。

「決めポーズを所望しますわ!」

嘘だろう?!忘れてた事にしようとしていたのに!聞かなかった事に……。

「清めたまえ!」

嘘だろう?!こいつやりやがった!

「くそっ、清めたまえ!」

すぐに後へと続く。もちろんレジルス同様に真剣かつキリッとした顔で貼りつけた後も、まるで剣で斬りつけた後のようなポーズを保つ。やるからには兄の威厳を見せてやる!

「ブラボー!!!!厨二病ー!!!!」

妹は飛び跳ねてからの、感激のガッツポーズ。今の笑顔は年相応に見える。もしかして今までで1番の笑顔かもしれない。

心から喜んでくれたようで…………何より……だ。

俺は何かを削られていく感覚に陥りながら羞恥に震えて……あ、レジルスも仲間だったか。

目が合い、そそくさと互いにポーズを解除した。恥ずかしがるなら率先してやらないで欲しかった。

その時だ。

__ドン!

火柱が上がり、魔法呪が赤と黒のシエナごと燃え上がる。

俺もレジルスも驚いてそちらを見やる。

「「「ぎゃあああ!」」」

2人のシエナも、魔法呪本体も悲鳴を上げて逃げ回ろうとして、足や体に貼った札がその動きを止めながら、炎の勢いを加速させ、真っ黒に炭化して火がふっと消えた。

大小3つの見る影もなくなった黒い塊が転がっているが、白いリコリスとキラキラ札には少しの焦げ跡もない。

「ぅ……ぁ……」

花の咲いていない方のシエナが小さく呻いているが、他の2つは微動だにしなくなっている。

だが次にキラキラ札から水の竜巻が現れ、炭化した3つの体を飲みこみ、砕き散らすようにその場でグルグルと回れば、水がドス黒く染まっていく。

「超強力水流の縦型洗濯機……」