第30回電撃小説大賞

中三の冬、事故にて幼なじみ女子の瞳未を目の前で亡くしたトラウマにより感情を抑制するようになった男子の林野は、高校に入学したものの、中学でしていた水泳にも乗り気にならず、誰とも交流せず死んだように過ごしていた。瞳未は少女漫画家志望だが、友達や親にも内緒で漫画投稿をしていたという過去を持っていた。遺作は下書きを完成させた段階で止まっており、それに息を吹き込み、夢を引き継ぐことで亡くなった瞳未が報われ...

人間と関わることなく生きて、いつしか死ぬ事を考えを始めた少年、天野奏。それでも、死を先延ばしにしてきた。桜が見たい。花火が見たい。紅葉が見たい。雪が見たい。それをしばらく続けて、いざ身投げをしようとした瞬間に、彼は出会いを果たす。一日の半分しか起きていられない奇病で寿命が一年と定められた少女、佐藤湖凪。死の淵でそんな彼女と出会い、交わした取引。死を一年伸ばす変わりに、彼女が自分を殺す。なぜか頷い...

留置場で目覚めたあなたは自分を振り返り、自己分析の末に再定義し、主人公となる。魔物に襲われ警察官と不審者が死亡。襲い掛かる魔物を前にあなたは決断を迫られる。【抵抗するか抵抗しないか】≪抵抗する≫魔物撃破。少女と男に勧誘され、二つめの決断。【少女と行くか男と行くか】≪少女と行く≫女剣士と戦闘後仲間にする。目的を魔物を集めて倒すと設定、親とはぐれた子供を保護しライブ開始。魔物を引き付けて安全を確保す...

【第30回電撃小説大賞】短編部門・参加作品。　魔王の父と人間の母との間に生まれたレッドは、混血と呼ばれ蔑まれている。味方だった優しい母が不審な死を遂げた事により自室に引きこもり、遺品である人間界の推理小説を読みふけった結果、名探偵に強く憧れる事になった。　１０歳になったレッドは、気晴らしにと父と共に訪れた孤児院で大量の死体を発見。鍛えた知識を生かす絶好の機会だと、意気揚々と捜査を開始する。「謎は...

皇都の外れの屋敷に暮らす十五歳の娘、紫苑。父・東克は彼女を溺愛するが故に、書画や色々な簪を与えて屋敷内に囲っていた。自由な外出はできず、彼女に許されたのは専ら侍女たちが市場に買い出しに行くのに同行することだけだった。好奇心旺盛な彼女は目を盗んでは市場を駆け回り、父からよく釘を刺されていた。　ある日、紫苑は父から珍重な翡翠の腕輪を与えられるが、身に着けるうち何故か人が変わったように内向的になってし...

浅井蛍はつくば市に住んでる大学生。桃太郎、睦月というかけがえのない仲間と旅に出る。須藤首相はかつて、クーデターを起こした茨城県民を目の敵にしており、監視を強化していた。かつて、須藤は柳生食品で派遣社員をしていたが、酷い扱いを受け、蛍たちに柳生の始末を命じる。闇のブレスレットを手にした須藤の息子、薔薇男や須藤の腹心、強羅などの強敵が立ちはだかる。 ...

「地上最強の生物」と呼ばれる男、ユージオ・バール。彼はあらゆるものを暴力にて食い散らかし、睥睨する。東方由来の暗殺教団。二つの悪党に翻弄される町。遥か太古、世界に君臨した竜の一角。絶海を隔てた大陸をかつては一手に治めた先代魔王と、優秀なるしもべ・四天王。全冒険者の頂点にして、聖剣を振るう資格を得た勇者。術式にも魔法にも精通し、地水火風と語らう大賢者。そうした戦いを重ねるにつれ、ユージオの旅路は剣...

天流川御男（てんりゅうがわみお）はある日学校で、自身の能力で鷹茶綾（たかちゃあや）を意図せず転送してしまう。御男の転送能力は自らの尿を使用する為、転送後の綾は男子トイレで尿まみれになってしまった。警察沙汰となり、御男は連行され取調室に連れて行かれる。そこで待っていたのは刑事の母親だった。母親は御男が能力者である事を知る数少ない理解者であり、そして一番の被害者でもある。御男の能力のいくつかある発動...

清瀬政真は、中学生の頃に理不尽な経験をしていた。それは、理由も伝えられないまま所属していた卓球部が廃部にされた事だった。そして、その出来事を悔やんだまま突然の病で亡くなってしまった。　だが、死後の世界で正体不明の者と接触した事が原因でタイムリープしてしまった。タイムスリープした時間は、悔しい思いをした中学生の頃に戻ってしまう。　目標は、自分の代で廃部になる男子卓球部を継続させる事だった。その目標...

高二の夏、篠宮真昼は不治の病、奇病とも言われている。天花症候群。所謂、持病が急激に悪化し、医師から余命宣告を受ける。真昼の彼氏である、黒羽音羽もその事実を飲み込む。音羽は彼女の要望に答え、最後の思い出作りの旅へと出かける。彼らは制限付きの旅を自負する。音羽は真昼には隠しているが、病気を持っていた。真昼の病気、天花症候群、治療方以前に発見もされていなかった。音羽も似た状況の病気、蛙殺病。二人は治療...