この街で神を否定した者には必ず天罰が下る。生き残るために祈りましょう。

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著者: 壬生諦
時間: 9 月 前
まとめ:

神に対する信仰が深い『メヘルブ』と呼ばれる辺境の麓街。そこは政治も戦争もない平穏な世界で、住民の誰もが神に対して感謝と安寧の祈りを捧げることを習慣にしていた。その街の教会で司教が亡くなった。代わりに新たな司教としてメヘルブへ招かれた主役は、街の正門まで来ると、ここに至るまでの記憶が無くなっていることに気が付く。その先で出会うシスター・マイアに名前を聞かれても答えられず、これでは生まれたばかりの赤子同然だと自信を喪失したまま教会の奥へ歩を進ませるのだった。その先で彼を待ち受けるものとは……。後に『カイル』と名付けられる27歳の聖職者。謎多い4人のシスター……27歳の赤いマイア、21歳の敬虔なオルカ、25歳の友愛のクウラ、17歳の乙女ヤエ。教会に暮らす子供たち。善良な人々……。……しかし、何も知らないカイルが穏便に聖職者の務めを全うするには、あまりにも多くのことが詰んでいた。なぜならこのメヘルブには『神を否定した者は誰であれ必ず天罰が下る』という非情の掟があるからだ。たとえ子供であろうと平等に死よりも酷い生き地獄に遭わされる。皆はただその恐怖に怯え、赦しを乞うよう懸命に信仰を続けてきただけに過ぎない。何も知らず、出来心で神を疑っただけの子供が罰を受けて自決する結果になったとしても……この街では仕方のないことなのだ。外から来たカイルはこの街の異常さに幾度となく翻弄され、果てには好意を抱いていたはずの女性すらも忌み嫌い、貶すことになる。何故、この街にはこのような掟があるのか。何故、彼は全てを失っているのか。全ては神だけが知っている。…続きを読む

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