養護施設で育った僕にとって唯一の家族は双子の妹・エイミだけ。僕たちは施設の火事に巻き込まれ、死んだ。エイミに託された女の子を助ける途中、爆発に巻き込まれたんだ。享年１５歳だった。死後の世界で女神に出会い、エイミも死んだと知る。しかし、助けた女の子の祈りによって妹は異世界に転生したという。そして僕も転生できるらしい。転生の願いを尋ねられた僕は、妹と同じ世界に転生させて欲しいと願う。千年前、名もなき勇者が魔王を倒す道中を謳ったおとぎ話がある世界。４歳で僕は前世を思い出し、ヨヴィという名の孤児になった。だけどエイミは一緒じゃない。だから僕はこの世界のエイミを見つけるため努力した。いつか旅に出るつもりで、教会の読み聞かせで世界の地図を描いた結果、神官にスカウトされる。神官は巡礼者として世界を旅できると知り、神官になろうと志す。神官の素質を試された僕は魔法の才能が開花して、神官見習いとして認められる。１５歳になった僕は賢者になるための試験に挑んで、最年少賢者に選ばれた。賢者になれば巡礼者として旅ができる。やっとエイミを探しに行ける。でも、そんな僕を待っていたのは残酷な真実だった。…続きを読む